尾陽神社は名古屋の都心からそれ程遠くない閑静な住宅街にあります。神社も街も静かで、多くの人でごった返すようなところではありませんが、そのパワーは底知れません。
なぜならばこの神社の所在地、この神社の朱印、この神社の由緒が、一体となってパワーの源となっているからです。
果たして一体どれほど強力なパワーが秘められているのでしょうか。ひとつずつ探っていきましょう。
尾陽神社の所在地
尾陽神社は、名古屋市昭和区御器所2丁目というところにあります。御器所と書いて、ごきそと読みます。ちょっと変わった読み方で、どことなく重々しい響きですよね。
それもそのはず、実はこの御器所一帯はその昔、熱田神宮の神領だったのです。神事に使う土器をここから調達していました。
つまり御器所の御は神への畏怖の念を示す接頭辞、御器所の器は神事のための器具、御器所の所はそれを調達する場所ということなのです。
現在1丁目から4丁目まである御器所は、世帯数約2300世帯、人口約4500人を有する、都心に程近い閑静な住宅街です。
そんな静寂さに包まれた街の一角の小高い丘の上に、尾陽神社は位置します。その丘には、かつて戦国の時代、御器所西城という平山城がありました。この界隈には今でも何となく厳かな雰囲気が漂っています。
なお戦国時代の終わりに天下人となった羽柴秀吉の生母である大政所なかは、かつてのこの界隈である御器所村で生まれたと言われています。
また秀吉は、現在の名古屋市中村区で生まれたとするのが定説ですが、実は秀吉自身も、生誕地は生母同様御器所村であるとする異説も存在しています。
尾陽神社の御朱印
尾陽神社に行けば、社殿西隣りの社務所で御朱印を300円払って手に入れることが出来ます。受付時間は午前9時から午後5時までです。大抵は誰かが詰めていますが、誰もいない時はインターホンがありますので、押せば誰かが出てくるはずです。
尾陽神社の御朱印は至ってシンプルであり、時として無骨です。あくまで参拝の証として頂いておきしょう。
ところがそこにさりげなく押された朱印には、実は途方もない強烈なパワーが秘められています。その朱印はよく曲がったりかすんだりして押されているので、気付かない人も多いかも知れません。
しかしながらその朱印こそが、尾陽神社の御朱印の全てを物語っているのです。その印とは、ズバリ三つ葉葵です。世に言う、葵の御紋というやつです。
葵の御紋は、江戸時代の数多の大名の中で、頂点に立った徳川家が使っていた家紋です。だからその朱印が押されているのは、とてもパワフルであると言うことができます。
いくら今の時代自由に何でもできるようになったとはいえ、縁もゆかりもない他家の紋章を勝手に使ってみても、何の意味もありません。つまり、尾陽神社は徳川家と深い関係があるのです。
尾陽神社の由緒
尾陽神社には、尾張名古屋開府の祖である徳川義直命が祀られています。徳川義直は、徳川家康の九男であり、家康より尾張国に入封され、尾張徳川家の始祖となった人です。別名を尾陽公と言い、この神社の名前になっています。
尾陽公の名を取っての尾陽神社ですが、尾陽神社には尾張徳川家初代藩主だけでなく、尾張藩最後の藩主である徳川慶勝命も祀ってあります。慶勝は明治維新の功労者です。
創建は明治43(1910)年、社殿が完成して名古屋東照宮より遷座されたのが大正13(1924)年10月28日です。いまでも毎年10月28日には例祭が行われます。
愛知県と名古屋市の名古屋開府300年記念事業のひとつとして創建されましたが、それが実現したのは尾張旧藩士たちの請願によるものです。
よって尾陽神社は尾張徳川家と密接な繋がりを持つ神社であり、何よりも現在名古屋であるこの地の末永い繁栄を願うための神社なのです。それに関心のある人は、絶対にここを外してはいけません。
参道のようなものはありませんし、参詣者目当ての気の利いた店などは何もありません。周りにあるのは静かな街並みだけです。なので食事や買い物をする楽しみを兼ねてという人はここには来ません。
私は何度かここを訪れていますが、平日はもちろん日曜日の昼下がりに行っても参詣者の数はまばらです。しかしそのことがかえって、静かな街の中でより一層の静寂感を醸し出していて、神々しい気持ちにさえなることができます。ここは本当にお詣りしたい人だけが粛々と訪れる神社なのです。
まとめ
- 尾陽神社は名古屋市昭和区御器所にあります。
- 住所 - 名古屋市昭和区御器所2丁目9-19
- 電話 - 052-872-4851
- 御器所は閑静な住宅街ですが、歴史の重みを感じる街です。
- 尾陽神社の御朱印は、シンプルかつ無骨です。
- 尾陽神社の御朱印には、三つ葉葵のパワフルな朱印が押されます。
- 尾陽神社は尾張徳川家由来の神社です。
有名どころの大きくて立派な神社の参拝も結構ですが、地味ながらもパワフルな神社を参拝するのもいいものです。
私は人混みがあまり得意ではありませんので、こうした静かなところを散策する方が好きです。車で境内へ入っていけますので、特別なイベントがない限り、駐車スペースに困ることもありませんよ。
人気に左右されないこうした神社こそ、真のパワースポットと言ってもいいんじゃないでしょうか。