遅咲きながらも演技力には定評のある長谷川博己。その理由は劇団に所属して舞台で数多くの芝居をこなし、しっかりと実力を培ってきたからです。
背も高く顔立ちも良いその外見と、ある程度年齢を重ねていた安定感から、世に存在が知られるようになって以来知性派俳優の名を欲しいままにしつつあります。
彼の父親は大学教授もされていて、実際に知性あふれる人でした。その血を受け継いだ本人も、イメージだけにとどまらず本当に頭の良い人で、彼の出身校は高校も大学も一流とされるところです。
劇団をやめた後は舞台以外の場所にも活躍の場を広げ、ある時それがパッと花開きます。それはNHKの夜のドラマでした。
それからNHKのドラマに度々出演するようになり、やがて朝ドラの準主役にまでなり、幅広い演技が彼の人気に拍車をかけました。
そしてとうとう、大河ドラマのメインキャストを務めるまでになったのです。主人公は智将として名高い明智光秀。
弱小の家柄から戦国の世を駆け上っていく様は、聡明な長谷川博己が時間をかけて今ある名声をつかんだ姿と重なる気がします。
この非常に気になる役者について深掘りしてみましょう。
目次
長谷川博己のプロフィール
塩顔とは、瞼が一重や奥二重で、のっぺりとした薄い顔でありながらも、清潔で透明感のある顔立ちを指します。塩顔は知的でクールな印象を人に与えるそうです。
塩顔俳優の代表のひとりのようにもなっている長谷川博己のプロフィールをのぞいてみましょう。
- 昭和52(1977)年3月7日生まれ
- 東京都出身
- 身長182㎝
- 血液型A
- ヒラタオフィス所属
背がすごく高いですね。塩顔である上に長身で筋肉質な細身の体ですから、ますます知的に見えてきてしまいます。公式サイトはこちらをクリック!
長谷川博己という人
長谷川博己は30歳を過ぎてからその名が世間に知られるようになりました。長身ゆえのスマートな外見ということもあって、そんな頃には洗練された都会的イメージがすでに彼にはできていました。
とは言え陽の目を見るまでの決して短くはない下積み時代には、きっとそれなりの苦労もあったことでしょう。でも彼は自分の過去についてあまり多くを語っていません。
今できあがっている知的なイメージを壊さないようにしているのでしょうか。しかしそうばかりではないようです。
彼が知的に見えるのは単に作られたイメージからではなく、彼自身のバックボーンからにじみ出ていたものでした。
つまり長谷川博己という男は、本当に知的で聡明だったのです。
父親は著名な建築評論家で大学教授だった人
その長谷川博己の聡明さは、彼の父親に由来するといっていいでしょう。父親は建築史家で武蔵野美術大学の教授も務めた、長谷川堯という著名人です。
長谷川博己がようやく少し売れだした頃、平成23(2011)年5月24日に放送された「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)に父親の骨董品を持って出演した際、自ら父親の正体を明かしたのです。
長谷川堯氏は昭和35(1960)年、早稲田大学第一文学部卒業時に卒論で近代建築三大巨匠のひとりと称されるル・コルビュジエについて論じ、雑誌に寄稿して評論家活動を始めました。
その後も建築にまつわる数々の書物を著し、昭和50(1975)年には優秀な出版物の著者を対象に選考される毎日出版文化賞を受賞し、同54(1979)年には研究者が執筆する学術的価値の高い著書に贈られるサントリー学芸賞を受賞しています。
そして昭和61(1986)年には、日本で最も権威のある建築の賞とされる日本建築学会賞を受賞しています。これは日本国内において建築の分野で功績をあげたものに授与される大変名誉ある賞です。
評論活動の傍ら昭和52(1977)年には武蔵野美術大学助教授となり、教鞭を執ってきました。最後は同大学名誉教授にまでなりましたが、平成31(2019)年4月17日、令和の新しい時代を迎えるほんの少し前に、がんによって81年の生涯を閉じられました。
本人も優秀で高校も大学も出身校が凄い
このように、知る人ぞ知る有名な学者であった父親の血を引く長谷川博己ですが、本人の学歴も至って優秀です。
まず高校ですが、都内屈指の進学校である私立八王子学園八王子高校を卒業しているようです。
八王子学園八王子高校は八王子市内の私立高校としては2番目に古い学校であり、ここ最近では東京大学や京都大学にも合格者を送り出している偏差値の高い学校です。
また八王子学園は中高一貫教育の学校であることから、恐らく中学校も八王子学園の八王子中学校ではないかと思われます。
そして大学は、中央大学文学部に入学し、フランス文学を学びます。偏差値が60前後もあって大変優秀なところです。
よって長谷川博己が知的に見えるのは、単に外見上そう見えるだけなのではなく、本当に頭の中が知性に溢れているからなのです。
役者としての長谷川博己
そんな長谷川博己が芝居の世界に足を踏み入れたのは大学4年生の時でした。芝居をやっていた友人から、穴埋めのピンチヒッターにと頼まれて舞台に立ったのが、その後彼が役者を志すきっかけとなったのです。
それでも大学はきちんと卒業します。そしてその後就職して1年程サラリーマンを経験しますが、結局は父親の猛反対を押し切って会社を辞めてしまい、劇団に入ります。現在江守徹が代表を務めている、あの文学座です。
まず平成13(2001)年、文学座付属演劇研究所に研究生として入所します。文学座は一人前になるまでが非常に狭き門としても有名ですが、文学座での厳しい修行の中でも長谷川博己は順調に昇格していきます。
入所の1年後には研修生、その2年後には準座員となり、さらに2年経った平成18(2006)年4月にはとうとう正座員にまで登りつめます。
しかし同年12月、せっかくつかんだ正座員の地位だったにも関わらず、わずか1年足らずで文学座を退座してしまいます。
退座後はフォスターという芸能事務所に移籍し、活躍の場を舞台以外にも広げていきますが、残念ながらパッとしません。
そんな彼を一躍有名にしたのが、フォスターから現事務所のヒラタオフィスに移籍して間もない平成22(2010)年10月から放送されたNHKのドラマ10、「セカンドバージン」での出演です。
主演はあの鈴木京香で、その愛人の、妻のある17歳年下の男性という役柄でした。NHKとしては非道徳的な不倫愛や過激なベッドシーンを展開したことでかなりの注目を集めました。
ちなみにその後長谷川博己は、実生活でも本当に鈴木京香の愛人になってしまったようですが、いずれにせよ長谷川博己にとってはNHK様様といったところでしょう。
NHKに好かれる長谷川博己
濡れ場シーンが話題になったとは言え、文学座の正座員にまでなった長谷川博己ですから、演技力はお墨付きのはずです。
無名に近い役者を起用したにも関わらず、非常に高い評価を得たわけですから、気を良くしたのはNHKとしても同様だったのでしょう。
だからNHKと長谷川博己は、相思相愛になったのかも知れません。相思相愛と言うと、鈴木京香が気を悪くするといけませんので、持ちつ持たれつと言っておきましょう。
「セカンドバージン」に出演して注目された後、今度は大河ドラマに起用されます。平成25(2013)年1月6日に始まった「八重の桜」です。
役どころは綾瀬はるか演じる主人公、山本八重の最初の夫である川崎尚之助でしたから、まずまず重みのある立場です。これで完全に長谷川博己の役者としての実力が、広く世間に認められました。
次は平成28(2016)年9月から放送された土曜ドラマ「夏目漱石の妻」です。タイトルから分かる通り、妻を演じた尾野真千子が主役なのですが、その夫である夏目漱石という重要な役どころを長谷川博己が演じました。
この番組を制作するにあたり、長谷川博己は夏目夫妻が暮らした熊本にまで足を運び、漱石の小説や資料を読みまくり、準備万端で撮影に臨む程の熱の入れようでした。そして夏目漱石に見事になり切った長谷川博己は、視聴者に長谷川博己以外の俳優が演じる漱石なんて考えられないとまで言わせるくらい絶賛されました。
朝ドラの準主役に抜擢
そして平成30(2018)年、朝ドラのレギュラーに大抜擢されます。あのインスタントラーメンを開発した日清食品の創業者である安藤百福と、その妻の人生を題材とした「まんぷく」です。同年10月から放送されました。
ヒロインは妻役を演じた安藤サクラでしたが、物語の進行には常に安藤百福をモデルとした夫の立花萬平の行動が絡んでいて、それを演じた長谷川博己が実質主役のようなものでした。
朝のドラマということで総体的には爽やかさが求められる役どころでしたが、長谷川博己はそれを難なくこなし、さらに新しいファン層を開拓していったのです。
ついに大河のメインキャストに選ばれる
このようにジワリジワリとNHKとの関係を強化し高めていく長谷川博己が、令和2(2020)年の大河ドラマ「麒麟がくる」に再登場します。その役は、メインキャストの明智光秀。
今まで主役の不倫相手役や、主役の配偶者役といった、主役に準ずる役割を任されていましたが、とうとう主役そのものという輝かしい栄光を、大河ドラマで手中に収めることとなったのです。
智将と言われた明智光秀を演じるのは、やはり知的で聡明な長谷川博己を置いて他にいないといったところではないでしょうか。
まとめ
- 長谷川博己の父親は著名な建築評論家で大学教授も務めた長谷川堯氏である。
- 学者の息子として生まれた長谷川博己は、本人も学問ができて、出身校は高校も大学も有名難関校である。
- 舞台俳優として下積みを重ね実力を付けた後テレビに進出した長谷川博己は、NHKの「セカンドバージン」で好演技を見せ注目され始める。
- その後NHKから度々重要な役どころをもらうようになり、朝ドラ「まんぷく」では準主役に起用され、朝の顔として一層の好評価を得る。
- そしてとうとう大河ドラマ「麒麟がくる」でのメインキャストの座をつかみ取り、智将で知られる明智光秀を聡明な長谷川博己がいかに演じるかが期待される。
「麒麟がくる」の麒麟とは、伝説上の霊獣であり、王が仁のある政治を行う時に出現する神聖な動物で、混沌とした戦国の世を立て直し、民を救済してくれる英雄のことを指します。
そう言えば背が高くてスラッとした長谷川博己は、実存する動物のキリンのようで、そういう意味でもこのドラマの主役にふさわしいかも知れませんね。