デビュー早々平成初の仮面ライダー、「仮面ライダークウガ」の主人公である五代雄介役に抜擢されるや、その後の活躍が著しいオダギリジョー。
毎年映画にドラマに出演し続けるオダギリジョーですが、2019年は彼にとってさらに飛躍となる1年です。
なぜならば監督として美しい新潟の風景のもとでロケした話題の映画の上映と、役者として演じるあの伝説のドラマの12年ぶりの新シリーズがテレビ放映されるからです。
映画の方は監督として初めての長篇作品、ドラマの方は過去に演じて好評を得た、味わいある刑事の様な警察官役の再演。
2019年はオダギリジョーから目が離せません。2019年のオダギリジョーはとても熱い!
目次
オダギリジョーのプロフィール
デビュー以来数々の作品にコンスタントに出演し、役者として確固たる地位を築き上げているオダギリジョーですが、一体どういった人物なのでしょう。
- 本名「小田切譲」
- 昭和51(1976)年2月16日生まれ
- 岡山県津山市出身
- 身長176㎝
- 血液型O
- カリフォルニア州立大学フレズノ校演技コース中退
- 配偶者は女優の香椎由宇
- 鈍牛倶楽部所属
カリフォルニア州立大学というのが、中退ながらも何だかすごい経歴に見えますよね。
所属の鈍牛倶楽部というのも風変わりな名前ですね。鈍牛倶楽部には他にも結構個性的な役者がそろっているようです。公式サイトはこちらをクリック!
監督オダギリジョー
母子家庭に育ったオダギリジョーは、幼少の頃よく映画館に預けられたそうです。そこでは意図しようが意図しまいが、自由に映画を見ることができました。
そこで繰り広げられる映像を、無意識のうちに見て過ごしたオダギリジョーは、そんな頃から映画を作ってみたいという漠然とした思いを抱いていたのです。
2019年は新潟ロケ長編映画の上映
2019年9月公開の映画「ある船頭の話」は、撮影にクリストファー・ドイルというオーストラリア人の巨匠を迎え入れ、とことんまで映像美にこだわったオダギリジョー初の長編映画監督作品です。
クリストファー・ドイルとの出会いは、彼がジェニー・シュンとの共同監督で撮影も受け持った2018年12月公開の香港(中国)・マレーシア・日本3国合作映画「白色女孩(邦題:宵闇真珠)」に、オダギリジョーが出演したことが始まりです。
大自然を舞台にした人間模様を描いた「ある船頭の話」は、新潟県東蒲原郡阿賀町でその大半のロケが行われました。
当初全国で30箇所程の撮影候補地があがる中、阿賀町がメインで選ばれたのは、阿賀野川の迫力をはじめとするバラエティーに富んだ原風景の残る場所だったためです。
それこそがまさにオダギリジョーの狙うところでした。この作品を通して日本の美しい風景や文化をひとつの映画にまとめて世界に発信し、何十年経っても人々の心に残したかったのです。
カラフルでスタイリッシュな画面構成で高名なクリストファー・ドイルが、日本の原風景をオダギリジョーのイメージにどこまで近づけることができるのでしょうか。
主役の船頭であるトイチの役は、あのベテラン個性派俳優の柄本明が演じます。オダギリジョーはあくまで監督業にのみ専念しており、作品の中に登場することはありません。
それでもオダギリジョーは、ロケ中はその心労からか20個近い口内炎ができてしまって、ずっと悩まされていたそうです。やはり監督というのは、想像以上に大変な仕事なのでしょうね。
映画「ある船頭の話」は、2019年9月13日全国一斉公開です。公式サイトはこちらをクリック!
過去の注目監督作品
映画「ある船頭の話」がこの度脚光を浴び、それに伴ってオダギリジョーが役者としてではなく、監督としてにわかに注目を集め出しました。
しかしオダギリジョーが作品の監督を手掛けたのは、何も今回に始まったことではありません。役者デビューして早々の2001年頃には、非公開ながら自ら作品を監督しています。
今から丁度10年前の2009年には、「さくらな人たち」という中編映画の監督をしていますが、残念ながら評価の方は散々でした。
きっとその時の評判があまりにも不発に終わってしまったので、オダギリジョーが監督であることなど忘れ去られていたのでしょう。
その悪評高き「さくらな人たち」の次にメガホンを取った作品が、10年の時を経て生まれた「ある船頭の話」なのです。
しかし見逃してならないのは、評判の悪い「さくらな人たち」の前、2007年に手掛けたドラマ「帰ってきた時効警察第八話」ではないでしょうか。
「帰ってきた時効警察」は、その前年の2006年にオダギリジョー主演で放送されたドラマ「時効警察」の続編です。
どちらもギャグとパロディーに富んだ、非常にコミカルなドラマでしたが、それでいて隅々までよく目が行き届いているのが分かる、非常に完成度の高いものでした。
このシリーズの監督は三木聡、園子温、ケラリーノ・サンドロヴィッチなどといったそうそうたる面々の集まりでしたが、そのうちの丸々1話分を、オダギリジョーが主演しながら監督を受け持ったというのは、本当に大したもんだと思います。
役者オダギリジョー
若き日のオダギリジョーは、国立である高知大学理工学部に合格しますが、そこには入学しません。早くから監督志望だった彼は、どうしてもその夢を捨てきれず、米国に渡ってカリフォルニア州立大学フレズノ校に進みます。
しかしそこで専攻した演技コースに、監督になるための授業はありませんでした。後に知ったところでは、監督を目指すならジャーナリズムコースとやらに進まねばならなかったのです。
この無知なるがゆえの大いなる勘違いが奏功したのか、彼は1999年には役者として舞台デビューを果たします。そして早くも翌2000年には、オーディションの末、ドラマ「仮面ライダークウガ」のヒーロー役に選ばれます。
2019年は伝説ドラマ復活で刑事の様な警察官を再演
その後のオダギリジョーが、毎年コンスタントに話題作に出演していて、ドラマに映画に、そしてCMにと大活躍なのは、周知のごとくです。
そして2019年は、あの話題作が12年ぶりに復活し、そこで主役を務めます。「時効警察はじめました」というテレビドラマです。
このドラマは2006年に放映された「時効警察」のシリーズ第3弾で、翌2007年に放映された第2弾の「帰ってきた時効警察」以来の続編です。第2弾の第8話を、オダギリジョーが自ら監督したのは前述した通りです。
同シリーズはオダギリジョー演じる霧山修一朗という警察官が、時効になった事件を刑事の様に捜査するというコメディーミステリーです。
捜査はするのですが、それはあくまで霧山が趣味として行うため、犯人が逮捕されることはありません。それを保証するため毎回ドラマの終盤で、霧山の認印を押した”誰にも言いませんよカード”なるものを犯人に渡します。
そのようなシュールな子ネタが満載の時効警察シリーズは、深夜枠の放送だったにも関わらず、コアなファンの間で脱力系コメディーミステリーとして話題を呼び、伝説のドラマとして語り継がれていたのです。
同作では、オダギリジョーの地をさらけ出すようないつもと違う自然な演技が、見ているものを心地よくさせてくれました。
12年ぶりの新シリーズで、またあの霧山修一朗に会えるのかと思うと、本当に嬉しくてたまりません。
ドラマ「時効警察はじめました」は、2019年10月18日より放送開始です。公式サイトはこちらをクリック!
なおその新シリーズに先立ち、「時効警察・復活スペシャル」という特別編も制作されました。こちらは初めての2時間枠です。
単発ではありますが新シリーズのパイロット版のような位置づけです。
過去出演ドラマでの黒歴史
デビュー以来映画にドラマに顔を見せない年は一度もないオダギリジョーですが、そんな人気者にも関わらず、ある時期彼は視聴率の稼げない男として有名になりました。いわば彼にとっての黒歴史です。
その始まりは2013年に主役で出演したドラマ「家族のうた」でした。この時ゴールデンタイムの放送ながら視聴率がわずか3%台しか取れず、途中打ち切りの屈辱を味わいました。
この事実は彼にとっても長い間かなりのトラウマとなっていたようです。インタビューの場でゴールデンタイムはもう嫌だとか、もう深夜枠でしかやりたくないだとかいった発言をしたりしました。
そして挙げ句の果てには、数字だけで評価されるのは自分には合わないからドラマには向いていないと言って、その場を凍りつかせたこともありました。
毎年何らかの作品に出続けてはいるものの、相当引きずっていたみたいです。2018年の「チア☆ダン」というドラマにチアダンス部顧問の教師役で出演し、それが人気ドラマとなったことからようやくそのトラウマが大なり小なり払拭されたとのことです。
さあ、何はともあれ気持ちに一区切りついたことでしょう。伝説とまで言われたドラマの復活版の、前回前々回同様希望通りの深夜枠で、役者としてのオダギリジョーは心機一転どんな素敵な演技を見せてくれるのでしょうか。
片意地張らず、意固地にならず、一段とおおらかになった姿を期待したいですね。
まとめ
- 2019年のオダギリジョーが、監督業と役者業の二足の草鞋を履いて大活躍。
- 監督としては映像の巨匠とタッグを組み、美しい原風景の残る新潟ロケで制作した長編映画の公開。
- 役者としては伝説のドラマの復活で、刑事の様に未解決事件を捜査する警察官役を主演。
オダギリジョーにはまだまだ別の側面もあります。例えば脚本家としての顔。今回の「ある船頭の話」も、その前の「さくらな人たち」も、そしてもうひとつその前の「帰ってきた時効警察第八話」も、監督をする一方で脚本も全部自分で書いています。
さらには歌手としての実績、作曲家としての実績もあって、これでは足だって顔だって、幾つあっても全然足りませんね。改めてオダギリジョーはすごい人なんだと思いました。