天皇誕生日2020一般参賀は何が必要?アクセスはお薦めのツアー利用で!

天皇誕生日とは本来は祝日の名称であり、その定義は読んで字の如しですが、より正確に言えば今上陛下の御誕生日をお祝いする日です。

その天皇誕生日には、一般参賀という皇室行事があります。一般人が皇居に参内して天皇陛下の御誕生日を奉祝し、陛下がその国民からの祝賀をお受けになられます。一般参賀に行くことは、天皇誕生日という祝日の定義に最もふさわしい行為ではないでしょうか。

皇居に参内ということで、一般参賀にあたっては何が必要かと気になるところでしょうが、あらかじめ準備しておくものは特にありません。ただここ最近の一般参賀には非常にたくさんの人がやって来ますので、その点の留意だけはしておいた方がいいでしょう。

大勢の人が押し寄せますから、皇居へのアクセスもまた困難が予想されます。そんな時こそツアー利用です。お薦めのツアーを紹介します。

オリンピックイヤーの2020年、令和最初の天皇誕生日一般参賀が2月23日に行われます。天皇誕生日と一般参賀について、この記事を読んでさらに知識を深めてみて下さい。

天皇誕生日

天皇誕生日は第二次世界大戦以前は天長節てんちょうせつといって、元々は中国の文化を取り入れた宮中行事のひとつでした。その歴史は非常に長く、奈良時代末期には始まっていたとされています。

明治時代になると宮中行事の日を祝祭日にするという布告が公布され、天長節も合わせていくつかの日が休日となり、国民こぞって我が国の弥栄いやさかを願いました。

その後時代は流れて祝日の定義も皇室とはほとんど無縁になったかのように思われますが、実は現法令下で定められている祝日の多くは、名称を変えただけでかつての宮中行事の名残を色濃く残しているのです。

例えば2月11日の紀元節きげんせつ。これは現在では建国記念の日と称しています。あるいは11月23日の新嘗祭にいなめさい。こちらは今では勤労感謝の日です。

春分日と秋分日に行われた春季皇霊祭しゅんきこうれいさい秋季皇霊祭しゅうきこうれいさいは、春分の日・秋分の日として継承されています。

さらに11月3日の文化の日。これは明治の天長節、すなわち明治大帝の誕生日です。そして昭和天皇の天長節は、みどりの日を経て現在4月29日の昭和の日となっています。

天長節そのものは昭和の中盤、つまり第二次世界大戦以後は天皇誕生日と名称を変えましたが、今でも受け継がれています。令和の天皇誕生日は2月23日。呼び方は変わったものの、現在でも唯一皇室と直結する祝日と言えます。

一般参賀

一般参賀は、昭和23(1948)年から始まりました。皇室の悠久の歴史から見れば、非常に新しい行事です。戦前の偏った軍国主義の反省も踏まえて、皇室と一般庶民がより近い関係になるための試みだったのかも知れません。

開始当初は、参賀と言っても記帳所で記帳をするだけのものでした。ただ昭和天皇はその様子を皇居敷地内にある宮内庁庁舎の屋上からご覧になっていたそうです。

3年後の昭和26(1951)年になって、昭和天皇と香淳皇后が初めて参賀者の前にお出ましになりましたが、それは宮内庁庁舎中央玄関上のバルコニーからでした。

それから暫くして、宮殿の造営のため一般参賀は一時期中断されたのですが、昭和44(1969)年になって再開され、現在のような宮殿長和殿で行われる形式になったのです。

さて一般参賀の日、参賀者は皇居前広場で一旦整列します。それから皇宮警察と警視庁に誘導されながら二重橋正門より皇居内に入り、中門を通って長和殿前の東庭に進みます。

長和殿ベランダには、天皇皇后両陛下をはじめとする皇族の方々がお出ましになり、参賀に来た国民に向かってお手振りされ、天皇陛下が「おことば」を発せられます。

参賀が終わった後は、宮内庁庁舎前を通って、坂下門、桔梗門、大手門などから退出します。せっかく皇居の敷地に入るという貴重な体験ができたのですから、どうせならなるべく遠い退出門を選んで、敷地内を散策してみるのも良いかも知れません。

とは言え、平成から令和への御代代わりにかけて、参賀に訪れる人が激増しているので、周りをキョロキョロしながらのんびり歩いている暇などないかも知れません。人波に押されてなすがままといったところでしょうか。

さてその一般参賀は、さらに3つに分類されます。新年一般参賀天皇誕生日一般参賀、それに御即位一般参賀です。

前回の一般参賀は御即位一般参賀でしたが、これは当然のことながら度々あるものではありません。前回参賀に行かれた方は、大変貴重な体験をされたわけです。

ちなみにその令和元(2019)年5月4日の御即位一般参賀への訪問者は延べ14万人。お出ましには決められた時刻がありますし、参入前には厳重なセキュリティチェックもあります。

元々行ってすぐ参賀できるものでもないのですが、この時は皇居前広場に整列してから入門するまでに2~3時間待つのは当たり前だったみたいです。入門してから宮殿まで進むのに、通常でもさらに小1時間掛かります。

今後一般参賀に行かれる方は、その辺を参考にされて、くれぐれも体調を万全に整えて、時間にゆとりをもってお出掛け下さい。

天皇誕生日一般参賀

新年一般参賀は、俗的な表現をすれば年始の挨拶といったところでしょうが、例年元日ではなく翌1月2日に行われます。一般参賀が始まった時は1月1日でしたが、昭和28(1953)年に他の行事との都合で1月2日になってからはずっとその日に行われています。

実は皇族の皆様方は、元日は元日で国会議員や全国首長、三権各機関の要人をはじめとする国民の代表者や、各国の代表使節団の長などから祝賀を受けられる儀式があるので、とてもお忙しいのです。

一方天皇誕生日一般参賀は、まさに今上陛下の御誕生日の2月23日に行われる奉祝行事です。この日も陛下はやはり内外の代表者から祝賀をお受けになりますが、その過密なスケジュールを縫って一般の人々に面会されるのです。

そういう意味では、名称こそ変わったものの、天長節というかつての雅やかな宮中行事にこの現代において、なおかつ一般人として加わることができるということになり、より有意義な一般参賀ではないかと思います。

一般参賀ツアー

近年大変混雑する一般参賀ですが、参賀するのに申し込みとか、あらかじめ必要なことは何もありません。ただ当日皇居前広場に行って、一般参賀希望者の列に並べばいいだけです。

むしろ事前にあれこれ用意し過ぎて、入門前のセキュリティチェックで必要以上に時間を浪費してしまう恐れもありますので、逆に用意など何もしていかないくらいの方が万事スムーズに事が運ぶかも知れません。

ただしそれは、あくまで集合場所に集合してからの話です。とにかく当日は想像以上の大混雑が予想されます。東京近郊の人や、東京の地理に明るい人でなければ、集合場所へのアクセスすら困難かも知れません。

そこでお薦めしたいのは、ツアーを利用することです。大手有名企業や地方の中小企業合わせて様々な旅行関連会社が一般参賀を題材にしてツアーを企画しています。

東京以外の人は、各地方都市を発着するこれらのツアーに申し込みしてみてもいいでしょう。自分の在住する道府県の身近な場所まで行きさえすれば、後は至れり尽くせりで皇居前広場まで連れて行ってくれます。

ただしこれらのツアーは、一般参賀という本命以外の見学などが組み込まれている場合が大半であったり、それらの方が実はメインの目的地で時間を掛けていたりします。

そこでさらにお薦めのツアーを紹介します。はとバスポケカルクラブツーリズムの3社が企画しているバスツアーです。

いずれの場合も東京まではご自分で足を運んでもらわなければなりません。しかしそこからは、主に東京駅の決められた場所に集合しさえすれば、後はバスに乗り込むだけで何もかも御膳立てしてくれます。

長距離の集団移動にはちょっと自信がないという方も、都心内だけのわずかなバス移動なら心配ないのではないでしょうか。それにこれらの旅行会社の企画するバスツアーは、ほとんど一般参賀に特化したものですので、十分に目的を果たすことができるはずです。

東京まで自分で行ったのなら、なにもその先人任せにせずとも自分で行けばいいのではないかと思われるかも知れませんが、そんなことはありません。

とにかく一般参賀には非常に大勢の人が押し寄せます。それに対して極力スムーズに進行させるためのインフォメーションやアテンダントサービスを旅行会社は持っていますし、その力をどれだけ発揮できるかが、旅行会社の腕の見せ所となるからです。

一般参賀に行きたい人は、これらのバスツアーを利用しない手はありません。是非検討してみて下さい。

この記事のまとめ

  • 天皇誕生日は戦前までは天長節と呼ばれていて、奈良時代末期から続く宮中行事だった。
  • 一般参賀は戦後に始まったもので、比較的新しい皇室行事である。
  • 天皇誕生日に一般参賀するということは、かつての雅な宮中の面影を見ることのできる絶好の機会である。
  • 一般参賀に加わるための事前申し込みや手続き等は、何も必要ない。
  • 一般参賀にはここのところ非常に大勢の人が訪れて大変混雑することもあり、スムーズなアクセスのために現地バスツアーの利用をお薦めしたい。

どうしても一般参賀に自分の力だけで行きたいというあなた。それはそれで素晴らしい選択だと思います。

ただ一般参賀での陛下のお出ましには定刻がありますし、最後の時刻を逃してしまうと、もう皇居の中には入れません。

独り善がりで残念な結果にならないよう、入念に計画を練った上で行動して下さいね!!