イースターという行事がありますが、いつ行われるかご存知ですか?イースターにはうさぎと卵がセットになっていますが、その意味はお分かりでしょうか?
近年日本でも徐々に知名度を上げつつあるイースターですが、それは特にディズニーなどのリゾート施設でのイベントにおいて著しい傾向にあります。ディズニーではイースター期間独自のキャラクターも登場して、それに関連したグッズや衣装などにも関心が寄せられています。
こうした華やかなイベントは現実離れした楽しい時間を過ごさせてくれますが、イースターの本質を知ることも決して忘れてはいけません。
2020年のイースターには一体何が起こるのか。イースターの全容について、できるだけ余すところなくお伝えします。
目次
イースターとは
何でもかんでも西洋の風習を日本に持ち込んで、本来の意味とはかけ離れてイベント化したがる昨今。バレンタインデー然り、ハロウィーン然り。
バレンタインデーはもうすっかり日本には無くてはならない日になっていますが、ハロウィーンなんてのは一昔前までは日本では大して見向きもされませんでした。それが今では、若者が変装して街に繰り出し、意味もなく乱痴気騒ぎするかのような日になっています。
その賛否は別として、それで日本経済が潤う材料のひとつとなるのなら、それはそれで良しといったところでしょうか。そしてその好材料になるための座を次に狙っているのが、イースターなのかも知れません。
イースターの語源
イースター(easter)は英語で、日本では復活祭と和訳されています。確かにイエス=キリストの復活した日を祝うのが目的ですが、イースターそのものに復活祭という意味はありません。
イースターはゲルマン神話に出てくるエオストレという女神の名の英語読みです。でもこの日はイエス=キリストが十字架の上で亡くなってから3日後に復活したことを祝う日です。
その女神の名前がなぜキリストの復活にあてがわれたかというと、6世紀のローマ教皇グレゴリウス1世が、ヨーロッパの古い宗教的伝統を積極的にキリスト教文化に取り込んだからです。キリスト教の勢力を拡大していく上でエオストレの伝説は、キリストの復活と実に相性が良かったのです。
2020年のイースターはいつ?
イースターの日は毎年同一というものではなく、或る明確な定義に基づいて変動します。それは春分日を基準にしています。
即ち、春分日から起算して最初に迎える満月の日以降の日曜日です。文章だけ目で追えば何やらよく分からないかも知れませんが、それ程難しい話ではありません。
なぜ春分日、満月、そして日曜日が絡んでくるのかは大昔に決まったことです。それは西暦325年にキリスト教全宗派が集まって初めて開かれた、ニカイア公会議と呼ばれる歴史上の大集会の場での出来事です。
それから1695年の長い時をを経ましたが、その取り決めは現在においても忠実に守られています。それによって今年2020年のイースターは、4月12日になります。
ただしこれも、宗派によっては日が違ってくるそうです。しかしそこまで突き詰めると非常に専門的な話になってしまいますので、ここでは主流派の見解に従うことにします。
イースターと言えばうさぎと卵
イースターには必ず付いて回るものがふたつあります。それはうさぎと卵で、それぞれイースター・バニー、イースター・エッグと呼ばれる程、イースターには無くてはならない存在です。
どうしてキリストの復活を祝うのにうさぎと卵が必須なのでしょうか。ここで例のゲルマン神話が巧妙に絡んでくるのです。
うさぎの意味
エオストレつまりイースターは春の女神であり、いつも野うさぎを従えていました。うさぎは多産の象徴です。
その野うさぎが或る時エオストレのもたらす春の訪れに感謝して、どこからか卵を運んできました。卵は新しい命、そして復活を意味します。
喜んだエオストレは、その卵を春風と共に皆に分け与えました。この生命の息吹きがキリストの復活と上手くマッチしたわけです。
それでうさぎはイースターには欠かせない存在となったのです。イースター・バニーはこの日、あらゆる場面において目にすることになります。
卵の意味
一方卵の方も、やはりイースターには重要なアイテムです。新しい生命が殻を突き破って出てくるように、キリストも躍動的に甦ったということを卵は表しています。
イースターで食べるものといえば、ゆで卵とか、卵そっくりに作ったチョコレートとか、卵に見立てたり卵を連想させる形をしたものばかりです。
そして必ずと言って良い程卵がらみのゲームをします。非常にポピュラーなのはエッグ・ハントとエッグ・ロールです。
極めて簡単に説明すれば、前者は卵を探す遊び、後者は卵を転がす遊びです。どちらも子供達はこの日このゲームができることを楽しみにしていますが、特にエッグ・ロールなどはアメリカのホワイトハウスでも例年敷地内で催される程の一大イベントとなっています。
なおこれらのイースター・エッグは総じてカラフルに彩られています。それは例の神話に登場する野うさぎがエオストレに献上した卵が、春の到来の嬉しさを示すためだったのでしょうか、どれも鮮やかに色塗られていたからで、それに因んでいるからです。
近年増えつつあるイースター行事
イースターの習慣は西欧では古くからあるものであり、日本においてもその名前や概要くらいは知っていたという人も多いでしょう。とは言うものの、日本でそれが定着するまでには至っていませんでした。
ところが近年、産業界ではとうとうこの馴染み薄かった習慣に触手を伸ばし、イベント化して盛り上げようとする気運が高まってきました。その傾向は、特にレジャー施設において顕著なようです。
ディズニーは商売上手?
東京ディズニーリゾートでは、2014年より春先になるとディズニー・イースターという春期特別イベントを開催しています。ディズニーランド、ディズニーシーどちらも開催場所となってきましたが、どちらで開催されるかは流動的のようです。
2019年はランドとシーの両方で開催されましたが、2020年はシーの方だけです。2020年のイベント期間は、3月27日(金)から6月12日(金)までの78日という長期にわたります。
期間中は、ディズニー独自のうさピヨというキャラクターが登場して、ショーを盛り上げます。それに合わせてクッションやぬいぐるみ、タオルや春を感じさせるレジャーシートなど、うさピヨとその他定番のディズニーの仲間がデザインされたグッズが多品目販売されますが、期間限定商品ということもあって瞬く間に売れていく程の人気グッズとなっています。
またこの時期ミッキーマウスやミニーマウス、その他のディズニーキャラクターは、特別なコスチューム姿で登場します。その春のポカポカ陽気を感じさせる、イースターらしいとても華やかな衣装がいつも注目を集めています。
ハウステンボスは本格派好み?
ハウステンボスは、長崎県佐世保市にあるテーマパークです。ハウステンボスとは森の家という意味のオランダ語であることから、オランダの街並みを再現してはいますが、テーマはヨーロッパ全体に及びます。
こちらは2016年より、イースターイベントであるハウステンボスイースターの開催を始めました。ディズニーのようなキャラクター総出のド派手なアトラクションではなく、デコレーションやアドベンチャーをメインとした企画のようです。
ハウステンボスには入場客には見えない、いわゆる業務専用の空間というものはなく、運搬車両などが来場者とあい混じって敷地内を走行しています。よってテーマパークとはいえ、それ自体がひとつの町のように機能しています。
また、いかにも非日常的な多くのキャラクターが敷地内を練り歩いていることもありません。ですからそのような見地に立てば、より現実的な西欧諸国のイースターの雰囲気を感じ取ることができるかも知れません。
この記事のまとめ
- イースターは、イエス=キリストの復活を記念する日である。
- いつがイースターかは毎年日付が異なるが、2020年は4月12日である。
- イースターに付き物のうさぎと卵の意味は、イースターの語源であるゲルマン神話の女神エオストレに関連することにある。
- イースターは近年リゾート施設において盛んにイベント化されていて、東京ディズニーリゾートが代表的である。
- ディズニーではうさピヨという独自キャラがイベントを盛り上げるが、期間限定のこのキャラクターグッズには人気がある。
- ディズニーの他の定番キャラクターがこの時期に着る衣装にも、毎回注目が集まる。
イースターとは本来、キリスト教の宗教行事なのでしょうから、神への感謝が基本でなければならないはずです。本筋からかけ離れた享楽に耽って現を抜かしてしまっているだけでは、結局イベントの仕掛人の手中で踊らされるだけです。
イースターに限らず何事にも言えることではありますが、どうか本質をわきまえた上で物事にあたって頂けたらと思います。その方がきっと一層楽しいはずですよ!!