大雪も冬至も二十四節気のひとつであり、各節気とは季節の移り目を表す瞬間であったり、移り変わるその日であったり、あるいは次の季節までの移ろいの期間のことです。
大雪はその文字を見ればイメージが容易に浮かび上がるかとも思われますが、ただ日頃よく耳にする音読みと節季名である訓読みとではややニュアンスが違いますのでその点に留意する必要があるでしょうか。また二十四節気には二至二分と言われる2つずつの「至」と「分」があるのですが、冬至は二十四節気の二番目の二至二分であり、2つの「至」のうちの二つ目です。
その大雪や冬至というのはいつなのかご存知ですか。2021年のそれらの期間は、具体的にいつからいつまでかご存知でしょうか。
大雪は十一月節、冬至は十一月中と呼ばれたりもしますが、その名の通り本当に11月にやって来るのでしょうか。二十四節気の大雪と冬至について詳しく見ていきましょう。
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大雪・冬至とは?
一年の気候の変化を24等分した二十四節気の、23番目と24番目に区分されているのが大雪と冬至です。二十四節気については別途詳細な記事を用意してありますので、どうかそちらをご参照下さい。
大雪の読み方は「たいせつ」、そして冬至の読み方は「げとうじ」です。それぞれそういった季節の名称なのですが、冬至に冬という季節そのものを表す漢字が入っているのに対して、大雪の方は直接的な季語はありませんが、それがかえって連想的で楽しい気分にさせてくれます。
2021年の大雪と冬至
2021年の大雪は12月7日火曜日から12月21日火曜日までの15日間、冬至は12月22日水曜日から翌年1月4日火曜日までの14日間です。期間としては大雪の方が冬至よりも1日長いということになります。
日数で区切る期間は確かに大雪の方が長いのですが、もう少し細かい単位で計算してみるとどうなのでしょうか。時間は24時間集まって1日となりますが、1日は必ずしも24時間ではないかも知れません。
二十四節気は太陽の動きを基に等分して割り出していて、大雪が訪れるのは正確に言えば12月7日6時57分、同様に冬至は12月22日0時59分であり、それぞれ差し掛かったその日を打設または冬至と呼ぶ場合もありますし、天文学的にはそれぞれの瞬間を指します。
そしてさらにその次の小寒の位置に太陽が訪れるのは1月5日が3分の2以上も経過した18時14分ですが、二十四節気が日を指すならば、1月5日は小寒ということになり、冬至は1月4日までということになります。
だから大雪と冬至とでは、大雪の方が1日多くなるのです。確かに日数単位で計算すればその通りですが、では時間単位で計算すればどうなるでしょう。
答は大雪の354時間2分に対して、冬至は353時間15分となり、実際には両者の間にはさほどの大差はありません。日数で計算すれば1日違っても、時間で追ってみれば1時間の差すらありません。
12月なのになぜ11月?
二十四節気は12の節(節気)と12の中(中気)に分かれます。奇数回目が節、偶数回目が中です。
23番目の節気である大雪は節であり、24番目の節気である冬至は中です。そこで大雪の別名を十一月節と言い、冬至を十一月中と言います。
ところが大雪も冬至も、12月に始まる節気です。12月にあるのに十一月と言っているのは、一体どういうことでしょう。
わが国では明治5(1872)年まで、太陰太陽暦に基づく旧暦を使用していました。芒種と夏至は旧暦5月に該当したため、その名残として現在でもそう呼ばれているのです。
大雪・冬至という節気の意味
二十四節気は平安時代の頃より用いられるようになりましたが、元をただせば紀元前の古代中国で考案されたものです。ですから各節気の名称が意味するところは、日本で実際に体感する気候の表現に当てはめるには、多少のズレを感じる場合があるかも知れません。
しかし各節気は一日だけのことではなく、次の節気の前日までの期間でもありますから、それなりの長い目で見れば、あながち見当違いというわけでもなさそうです。
大雪は「おおゆき」と読めば、「たいせつ」と読んで雪がいよいよ降りつもってくる様を表し、冬本番となる時期を指します。冬に至ると書く冬至は、北半球においては太陽が最も低い位置にあり、1年で最も昼が短い日でもあり、冬の真っ盛りとなる時期です。
この記事のまとめ
- 大雪は二十四節気の23番目、冬至は同じく24番目である。
- 各節気は瞬間点を指したりその瞬間点のある一日を指したり、あるいはいつからいつまでという期間を指したりする。
- 2021年の大雪は12月7日であり、冬至は12月22日である。
- 大雪は十一月節、冬至は十一月中とも呼ばれる。
- 大雪は雪がいよいよ降りつもって冬本番となる時期を指し、冬至は1年で最も昼が短い日となる1年の折り返し地点の冬の真っ盛りとなる時期である。
打設も冬至も冬に属しますが、冬という期間を単純に冬とだけ認識していては少々淡白過ぎるのではないでしょうか。冬の中にも細かな気候の変化があるのです。
冬の節気は立冬から始まり小雪が来て、本記事で紹介する大雪そして冬至と続き、その後小寒そして大寒へと移行していきます。単に冬と言ってしまえばただただ寒いばかりのイメージですが、その寒さにも6通りあると認識すれば厳しい冬の寒さも楽しむことができるというものです。