立秋も処暑も二十四節気のひとつであり、各節気とは季節の移り目を表す瞬間であったり、移り変わるその日であったり、あるいは次の季節までの移ろいの期間のことです。
二十四節気には四立と言われる4つの「立」があるのですが、立秋は二十四節気の13番目の節気であり、四立の中の3番目です。次の処暑は、その言葉の中に含まれる暑の字から気温が高いことは予想できますが、処の字の方が何を意味するのかが分かればどういった頃合いかが見えてくるはずです。
ではその立秋や処暑というのはいつなのでしょうか。2021年のそれらの期間は、具体的にいつからいつまでなのでしょうか。
立秋は七月節、処暑は七月中とも呼ばれたりしますので、7月にあるような気もしますが、実際のところを細かく見ていきましょう。
立秋・処暑とは?
一年の気候の変化を24等分した二十四節気の、13番目と14番目に区分されているのが立秋と処暑です。二十四節気については別途詳細な記事を用意してありますので、どうかそちらをご参照下さい。
立秋の読み方は「りっしゅう」、そして処暑の読み方は「しょしょ」です。それぞれそういった季節の名称なのですが、どういった気候なのかは、立秋の立が始まりを表していることが分かり、処暑の処には「おく。すえる。おちつかせる。」といった意味があることを知れば、かなりイメージできてくるのではないかと思います。
2021年の立秋と処暑
2021年の立秋は8月7日土曜日から8月22日日曜日までの16日間、処暑は8月23日月曜日から9月6日月曜日までの15日間です。期間としては立秋の方が処暑よりも1日長いことになりますが、もう少し正確に見てみましょう。
二十四節気は太陽の動きを基に等分して割り出していますので、立秋が訪れるのは正確に言えば8月7日15時54分、同様に処暑は8月23日6時35分であり、それぞれ差し掛かったその日を立秋または処暑と呼ぶ場合もありますし、天文学的にはそれぞれの瞬間を指します。
そしてさらにその次の白露の位置に太陽が訪れるのは9月7日18時53分ですから、二十四節気が日を指すならば、9月7日は白露であり、処暑は9月6日までです。たとえ時間で計算すれば白露は9月7日の3分の1にも満たないにせよ、日として捉えてしまえば9月7日は丸々白露ということになるのです。
そこでそれぞれの期間を時間で追ってみた場合、立秋の350時間41分に対して、処暑は348時間18分となります。ですから実際は立秋の方が長いことは長いのですが、その差は2時間ちょっとという程度です。
8月なのになぜ七月?
二十四節気は12の節(節気)と12の中(中気)に分かれます。奇数回目が節、偶数回目が中です。
13番目の節気である立秋は節であり、14番目の節気である処暑は中です。そこで立秋の別名を七月節と言い、処暑を七月中と言います。
ところが立秋も処暑も、8月に属します。8月なのに七月と名乗るとは、一体どういうことでしょう。
わが国では明治5(1872)年まで、太陰太陽暦に基づく旧暦を使用していました。立秋と処暑は旧暦7月に該当したため、この名が付いているのです。
立秋・処暑という節気の意味
二十四節気は平安時代の頃より用いられるようになりましたが、元をただせば紀元前の古代中国で考案されたものです。ですから各節気の名称が意味するところは、日本で実際に体感する気候の表現に当てはめるには、多少のズレを感じる場合があるかも知れません。
しかし各節気は一日だけのことではなく、次の節気の前日までの期間でもあります。ですからそれなりの長い目で見れば、一概に的外ればかりとは限らないのではないでしょうか。
立秋は秋の始まりであり、まだまだ暑い日が続く中でも、空には夏の盛りとは違った雲が広がって秋の兆しが見え始める頃を意味し、処暑は暑さが落ち着き始める頃という意味の名称です。処暑になれば日中は相変わらず暑いものの、朝晩の涼しさから初秋の息吹を感じ取れるはずです。
この記事のまとめ
- 立秋は二十四節気の13番目、処暑は同じく14番目である。
- 各節気は瞬間点を指したりその瞬間点のある一日を指したり、あるいはいつからいつまでという期間を指したりする。
- 2021年の立秋が始まる日は8月7日、処暑が始まる日は8月23日である。
- 立秋は七月節、処暑は七月中とも呼ばれる。
- 立秋は秋の気配が現れる頃を意味し、処暑は暑さが収まり始める頃を意味する。
立秋も処暑も夏に属しますが、秋という期間を単純に秋とだけ認識していては少々淡白過ぎるのではないでしょうか。秋の中にも細かな気候の変化があるのです。
秋の節気は本記事で紹介している立秋で始まりその次の処暑となり、さらに白露、秋分、寒露、霜降と続いていきます。酷暑の続く日々の8月ですが、ふと空を見上げれば、いわし雲、さば雲、うろこ雲などの流れるような秋の雲を見つけることができ、暑い最中でも秋の近づく足音が聞こえてきて、きっと納得のいく秋の始まりを迎えることができるでしょう。